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10月11日(土) 黄金色の花の楽園 rev.c

沖縄本島西の海上100キロの東シナ海に浮かぶ久米島、古来から球美の島(くみのしま)と呼ばれその美しさを誇る島でした。離島ゆえに太平洋戦争での戦災を免れ、文化遺跡などが保存されたのは幸いだったのではないでしょうか。人口は1万人足らずと少なく、サトウキビ畑が広がり、「はての浜」を始めとする海岸線のきれいな自然あふれる島、そんな久米島に咲く植物の群落を見るためにやってきました。

那覇空港を12:45に飛び立ったJTA(日本トランスオーシャン)211便は飛び立ったと思う間もなくすぐに着陸態勢に入ります。飛行時間は30分。眼下には「はての浜」の絵に描いたような景色、白いさんご礁とそれを囲むエメラルドグリーンの海の色に乗客は窓に顔をくっつけたままです。

うわさには聞いていましたが、飛行機の窓から見ても本当にきれいな島です。

その日の天候(風向き)にもよるけれど、右側の席がいいみたい。

<はての浜>

空港でレンタカーの手続きをします。他の空港では空港と営業所間をマイクロバスで送迎してくれるものなのですが、ここでは空港内の駐車場に停めた指定の車を自分で探して出発するというシステムになっていました。

島の規模にもよるのですが、少なくともこの久米島をレンタサイクルで回るのはちょっと無理がありそう。

さて、向かうのは島の中央部に位置する「だるま山公園」、目指す花はショウキズイセン(鐘馗水仙・ヒガンバナ科)です。どんな花かと問われれば、黄色いヒガンバナという表現しか思いつきません。

私が初めてこの花を見たのは、昨年のこと。那覇市の首里「上の毛公園」でした。初めて見る黄色いヒガンバナ、当然洋花「リコリス」(ヒガンバナの学名)の一種で花屋さんで売ってるものだと思っていました。

そして、あれこれ調べるうちに、これが沖縄のヒガンバナであること、与那国島、石垣島にはかろうじて自生地が残っていることなどが分かり始めます。そして最も気になったのが、久米島にはその群落地があることでした。

<ショウキズイセン> 

ともかく驚くほどの晴天です。青空の下の黄金色の群落はどんなにきれいなことでしょう。期待に胸を膨らませながら「だるま山公園」までやってきました。そしてお目当てのショウキズイセンの群落はすぐに分かります。

そこには町教育委員会の方、地元の町会議員の方がまるで待っていたかのように花の群落の前に立っておられたのです。確かに私はこの花の適確な時期について久米島町観光協会に問合せをし、パンフレットなどの資料を請求していました。

観光協会には広島からこの花を見るためにやってくることもお知らせしてあったのです。

町会議員の仲村昌慧さんがここの群落について説明して下さります。平成7年から9年にかけて3万球の球根を植え付けたこと。地元に昔からあった植物だったが次第に山野から姿を消し民家でかろうじて残っていたものをここに植え付けたこと。
また、教育委員会の後藤先生は、今日広島からこの花畑を見に来る者がいることを観光協会から聞いていたこと、赤いヒガンバナもちゃんと秋のお彼岸に咲くことなどを教えて下さいました。

将来は30万株以上に増やしたいと熱い口調で話す仲村議員、子供が夢を語るときのような目で話してくださいます。エネルギーを感じる人でした。

ただ増やそうとする情熱だけで増えるものでは有りません。この場所がショウキズイセンに最適な場所なのかどうかも含め、10年近くたった今の生育状況を見直す必要があるでしょう。仲村議員が指摘するように球根が地面からせり上がっている傾向があります。私が見渡した限りでも、サクラの木の下のほうが成育が良好のようでした。日当たりが強すぎるのも良くないのでしょうか、本来ヒガンバナは日当たりを好むはずですが。
また田んぼのあぜ道、つまり土壌的には湿り気のある場所が好きな花です。ここは日差しや水についてどのような状況なのでしょうか。

ヒガンバナは毒草であるため、かつては田のあぜに植えてモグラやネズミを近づけない効果を期待したようです。また秋分の日の頃咲くため稲の刈り取り時期の目安にもなりました。このように人間生活に密着した植物は地方ごとに多くの名前をもっています。

放りっぱなしの「自然」は有り得ません。
下草刈りを定常的に続けているからカタクリなどは大きな群落を作ります。人がどれだけこのショウキズイセンの保存について力を入れることができるのでしょうか。

アルカロイド系の毒性のあるヒガンバナ科ですが、毒を持って毒を制すの言葉通り、薬効もあります。それについて優位性が見られた時に今度は保存のための対策が必要になってきます。つまり、金儲けを目論む「業者」が現れる心配です。

まずは島民の意識改革、最低でも「看板」などの設置。この植物がどれだけ貴重なものであるのかを啓蒙しなければなりませんね。今のままだと、きれいだからと抜いて行く人もあるでしょう。

ヒガンバナはバナナなどと同じくほとんどが3倍体であるため種子ができないのだそうです。ここで見るショウキズイセンはどうやら結実しています。それなら種子と球根のダブルで増やすことが出来ますね。

ともかく「だるま山公園」にはこの貴重な花が今を盛りに咲いていたのです。

久米島の観光スポットもいくつか紹介しましょう。

おばけ坂

目の錯覚なのでしょう、誰が見ても向うに下っているように見えます。しかし車を停めるとじわじわとバックし始めるから不思議。缶コーヒーの空缶やペットボトルでも確認できます。そう言えば「おばけ坂」の看板の下に車のホイールがひとつ置いてありましたので、それを置いてみましょう。あれあれ見た感じと逆に転がっていくではありませんか。確かに「おばけ坂」でした。

<おばけ坂>
写真でも向こうに下っているように見えるでしょ?でも車は後ろに動くのです。

ミーフガー

女岩」と呼ばれる「ミーフガー」、巨大な裂け目のある岩です。なんとダイレクトな名前のつけ方ですがわかりやすいですね。周囲に生えている毛・・・いえここの植生は地面のコウライシバと岩にあるホソバワダン、モクビャッコウに代表されます。アダンやソテツ、ミズガンピも多いですね。

手前にある具志川城跡に上がり、東シナ海を望むとはるか水平線がまあるく見えますよ。

当然?「男岩」もあります。ガラサー山といってひょうたんのような形をした山にニョッキリ岩が立っているのです。<ミーフガー>

<ガラサー山>

熱帯魚の家

太陽石(ウティダイシ)の案内の場所の手前から海に向かいます。要するに干潮時に出来るタイドプールのこと。それも外海につながっているので泳いでいる魚は割と大きなイラブチャー(ブダイの仲間)などもいます。もちろん、魚肉ソーセージを持ってきましたよ。あの20センチくらいの細長いやつです。
小さくちぎって投げると魚たちが喜んで寄ってきます。

<熱帯魚の家>

比屋定バンタ

島を一周、とは言え、決して平坦ではないのです。ここから右手には「はての浜」の白い砂浜が見えます。晴天の今日は粟国島、渡名喜島などが近くに見えました。眼下には久米島名産のクルマエビの養殖場、今日の夕食は決まりましたね。

阿嘉のヒゲ水

駐車場から少し歩くと展望台があります。その日の風や落ちる滝の水量にもよると思うのですが、滝から落ちる流れが風の勢いに負けて、まるで白ヒゲのように上に向かってたなびいています。まるで白い煙が上がっているのかと思いました。自然現象とはいえすごくラッキーな気分になりました。

<上にあおられている滝>

鳥の口

日が沈む直前に間に合わせてここに来ました。サイヨウシャジンの紫色の花などが咲いています。夕日と逆光ですが、鳥の口に見える大岩がシルエットで見えます。

<鳥の口>

歴史文化財も多くあります。

本日予約したのは全日空のイーフビーチホテルです。夏は多くの水着ギャルでにぎわったことでしょう。浜辺に出てびっくり、粒の小さな白い浜はゴミひとつ落ちていません。はだしで歩いても構わないくらいキメの細かい砂、見上げると満天の星空、海の向うは真っ暗です。

近くの居酒屋「三坊」で、楽しみにしていた地鶏の串とクルマエビをいただきましょう。本当にこんなおいしいクルマエビは初めてでした。

イーフビーチに朝日が差し込みます。

それにしても白い浜です。延々と続く浜はなんと2キロもあるのだそうです。人もいないので独り占め状態です。散歩している人もいますが、10月なので泳いでいる人はいません。今日も快晴で日焼けが怖いですね。

おそらく今まで見た海岸で一番きれいな海岸ですよ。あれ「日本の渚・百選」とありました。納得しますね。自然のままなので監視員さえいないとのことです。

<畳石>

もっときれいだよ、と教えられた海岸にこれから行きましょう。

畳石です。橋を渡って行く島「奥武島」にあります。この橋からの風景だけでもその美しさに納得しました。青い海、その表現しかできない自分に腹がたちますが、それしか言い様のない青い海なのです。ピュアな青い海ですから。貝殻も多くありますよ。

海の中に変な橋がありました。廃墟になってしまったのでしょうか?両サイドが海に浸かっているのでここを渡ることが出来ません。いったいこの橋は・・・・?

調べたところ干潮時には歩いてこの橋まで行けるのだそうです。しかしそれでは船が通れないのでさんご礁を削って航路が掘ってあるとのこと、従来から人が歩いて渡っていた場所なので船の為に航路を掘ったため人の歩く橋を作ったのだそうです。

<変な橋>

直径1メートルくらいの六角形の石、その数1000枚くらいあると言われる畳石は火山岩が冷えて固まった時にこのような形を作ってしまったのでそうです。ここはそんな物理科学の話より、干潮時に熱帯魚の家と同じくタイドプールができあがることが嬉しいですね。朝のバイキングからパンを少々失敬してきました。ほらほら魚が喜んで寄ってきます。

そしてこの旅の締めくくりにイーフビーチの端にあたるこの海のきれいな砂をお見せしましょう。まるでグラビア写真を見ているようです。

<リュウキュウマツのきれいな島>

来島した時に利用した飛行機が折り返す便で那覇に向かいます。好天に恵まれたショウキズイセンの旅、こんな花がこの島にあるのです。ただ知られてないだけ。テッポウユリやグラジオラスの咲く5月の連休にも是非来てくださいと後藤先生も言われていました。

仲村議員、後藤先生、ここが花の島としてたくさんの人たちを呼べるように、私も協力したく思います。

<ヒメクマヤナギ>

<ツルモウリンカ>
<2004・のぞみは、かなう>
最後にパソコンの背景用の写真を用意しました。写真をクリックすると大きくなります。そこでマウスを右クリックして「背景に設定」を選んでください。


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